着物のお手入れについて
大切な着物のケア、ご自宅で簡単にできるお手入れ方法、
その他、着物の知識についてお話します。

着物の保管方法
使用後のチェック
着物のケアは「虫干し」が基本。 でも、それがなかなかできないのもわかります。
広げておくスペースもないし、暇もない。
そこで、そもなぜ「虫干し」が必要なのでしょうか。
答えは《湿気》です。
着物には大敵なんです。
すなわち、湿気を遠ざければいい。現代の建物は、湿気がこもりやすいので、なおさら、気をつけなければなりません。
そこで、以下の方法をお勧めします。
【 お勧め保管方法 】
◆ 半年に一度はたとう紙を交換=半年で、吸湿力が半減します。
◆ シリカゲルなど吸湿剤を使う。
◆ たびたび、タンスの引き出しを開けて、空気を入れ替える。
◆ 天気のいい日に、たとうしに包んだままでもいいので、タンスから出して畳の上に
置いておく以上の方法を複合して行うだけで、湿気はかなり取り除くことができます。
着物を脱いだら、しまいこんでしまう前に、チェックしておきましょう。
知らぬ間にシミがついていることもあり、応急処置をするかしないかで、そのあとの対処が変わってきます。
逆に食べこぼしなどに気づかないまましまいこんでしまい、次にあけたときにはカビだらけなんてことも。
黄変がでてしまうと、繊維そのものが傷つけられるため、多少は修復できても、完全に元の状態に戻ることはありません。
事前のケアが大切なんです。
【 チェックポイント 】
◆ 衿周り=皮脂、汗ジミ、ファンデーション
◆ 袖口=皮脂
◆ 前身ごろ=食べこぼし
◆ 裾=床の汚れ、泥はね
◆ 背中、帯周り=汗ジミ
汚れたときの対処法
【 対処方法 】
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ファンデーション=付着したらすぐにベンジンでふき取る。これでかなり落ちるが、汗と混じってしまうと変色することも。なるべく早く処置しましょう。
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食べこぼし(水性)=こぼしたらすぐに乾いた布で叩いて吸い取ります。その際、絶対擦らないこと。対処が早ければ、そのままシミにならないこともありますが、糖分を含んだものだと、いったん見えなくなってもあとで変色することがあります。丸洗いで洗い落とすことができます。
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食べこぼし(水性・油性混合)=対処が早くても汚れがつくとシミになり、なかなか抜けません。シミ抜きが必要です。その際、早いほどよいでしょう。目安は半年以内。1年以上ほおっておくとシミは落ちにくくなります。さらにそのまま放っておくと、黄変、あるいは、カビの繁殖によって、シミ抜きでも対処できなくなります。
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皮脂汚れ=ご自宅で対処するのは難しいでしょう。着物専門店に依頼するのが懸命です。
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汗=料金的には高いものではないので、丸洗いやシミ抜きのときに一緒に汗抜きを頼むのがベストです。